【更新中】キミの声、聞かせて
「大丈夫。全部知ってるから。」


大翔は優しい声であたしの頭を撫でる


「樹里、血だらけだ。消毒しような」


掠れてたんだね…


知らずに寝たから布団、汚れた。


おばあちゃんに言わなきゃ


「樹里、居るかい?」


……おばあちゃんだ


「居ますよ」


話せない代わりに大翔が返事をしてくれた


「体調は大丈夫?」


あたしは小さく頷きペンを走らせた


《怪我してるのに気付かなくて寝ちゃったから布団が汚れちゃった》


「替えはあるから大丈夫だよ。やっておくから消毒しておいで」


大翔に連れられリビングへ行く


「直樹さん、救急箱貸してもらえますか?」


「良いよ。これね」


大翔はお父さんから救急箱を受け取っていた
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