【更新中】キミの声、聞かせて
「さっ、大翔。行くわよ」


母さんは楽しそうだ


しかも、母さんの運転する車に乗るのは久しぶり


やってきたのはショッピングモール


「さーて、どこに行こうかなー?」


今にもスキップをしそうなテンションの母さんに呆れるしかない


まぁ、これが母さんだ


「楽しそうだな」


「だって、大翔が付いて来てくれたのが嬉しくて。あなた、なかなか帰って来ないから」


確かに帰って来ることなかったな


親父や母さんに会うのが嫌で…


“あの医者の子供だ”って言われるのが嫌で…


俺は思い切って家を出た


「でも、樹里ちゃんが彼女になってから変わったわよね…。」


母さんはしみじみ呟いた


樹里に出会ってなかったら今もこうやって会話することがなかっただろうな。
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