似た者同士 《小崎さんの映画館》
震えながらも、絞り出すかのように声を出した。

「う・・・そ・・・」





「いやぁぁぁああああああああああああああああああっ!!」
「きゃぁああああああああああああ!!!」
「助けて!だれかぁあ!」


中にいた人々はみな悲鳴をあげ、パニック状態になっている。


里桜は固まったまま動けない。私も・・・同じだ。
足が言う事を聞いてくれなかった。


「あけろ!だして!出してくれ!いやだぁあ!死にたくない!」



開かない扉をどんどんと叩いて、必死に開けようとする。
そこだけは渋滞。


逆に私と里桜をふくめ七人しか残っていない前の方。震えながらも画面をみつめる。




もちろんと言ってはおかしいだろうか?いや、でも今はおかしくない。



画面に映っているのは、『今』の私達だ。


後ろで宙ブラリンになっている死体は五つ。

一つは龍平さん。その横は知らない人、その横も知らない人・・・。



だけど共通して言えること。全員『学生』。

龍平さんは普段着だが、他の四つはみんな学ランやらセーラー服やら・・・を身にまとっている。

それから、一番右の死体。


形こそどうにか残っているものの、もう腐りかけている。
いや、腐ってるのか?分からないけれど、顔はもう、顔とは言えるものではない。





ぶらん、ぶらんと揺れているそれらをがんみすることは出来なかった。
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