片恋
「嫌いになんて…ならないよっ」
思わずそっけなく言ってしまう。
もちろん目を合わせることなんてできない。
「ほんとに??」
――かわいい。
男のくせに。
女のあたしより、絶対かわいい。
胸がキューってなる。
「ならないってばっ(汗)大丈夫だから!」
一瞬だけ目を合わせてそう言うと、ケイの顔は一気に明るくなる。
「よかったぁっ!俺、ナミがいなきゃだめだよ、やっぱり」
なんでそんな言葉、サラッと言えるのかな?
あたしの心臓はドキドキしっぱなし。
朝、あんなに落ち込んでたのが嘘みたい。
ケイにとっては特別な言葉じゃなくても、あたしにとってはすっごく特別なの。
だって、“あたしにそばにいてほしい”って言ってるんでしょう?
――それは、いい方に考えすぎ……なのかな?