片恋
【3】
「なぁーみぃー!!!」
ケイが香織にフられて2週間。
ケイはもうすっかり元気になっていた。
でも、昼休みは前と変わらず毎日あたしのクラスにくる。
…香織のことを話すためじゃなくて、あたしに会いに来てくれるんだ。
だからあたしは嬉しくて、無意識にテンションが上がってしまう。
きっとクラスの人の大半は、あたしがケイのことを好きなのはバレてしまってる…気がする。
だってこの間、香織にも気づかれてしまった。
クラスは別なのに。
“ケイくんのこと、好きだったんだね(^∀^*)がんばれ!”
そんなメールが来たときは、びっくりしたっけ。
香織に応援されるなんて、なんか変だな、なんて思ったけど、なんとなく嬉しかった。
でも……このままじゃ、駄目だよね。
だってケイに好きな人ができてしまうかもしれない。
わかってるよ?そんなこと。
でも、駄目だ。
気持ちを伝えちゃったら、ケイは今まで通り接してくれないかもしれない。
怖くて言えないんだ。
なんでこんなに弱いのかな、あたし。