片恋


「こういうのは、素直に喜んどけば?だってそれは、香織じゃなくてアンタを見てたから気付いたわけでしょ?アンタのこと、まるっきり眼中にないわけじゃないってことじゃん」

「…そうだよねぇ〜…」


香織とはケイの好きな人。
めっちゃ女の子らしくてモテモテな、あたしとは正反対の女の子だ。
ちなみに香織とあたしは友達。だからこそ、普通の倍辛い。
まぁあたしの初恋はケイだから、普通なんて知らないんだけどね。


――ヴーヴー


「あ、メールだ」

「ケイからぁ〜?」

「んーん。聡くんから」

「あ〜。しつこいねぇ、聡も!(笑)」


聡くんは百合の幼なじみ。この間、あたしに告白してきた。
あたしはもちろん断ったけど……諦めてくれなくて、少々困ってます。


「まぁ…悪い人ではないから平気だけど」

「聡、見る目だけはいいと思うよ。ナミはいい子だし。でも、アタックの仕方をしくじったな〜♪」

どこか楽しそうに話す百合。


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