哀しみの向こう
私が振り上げた 包丁が止まった。


包丁を持つ手が 誰かに 止められていた。


私の手を止めたのは 買い物から帰ってきた 母だった。


「こんなこと やめなさい!!」
母が 私の手から 包丁を奪った。


私は その場に座りこんで 泣き崩れた。

父親は 玄関から逃げ出し 母と私の 2人が 残された。
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