哀しみの向こう
一枚の写真を抱いて 私は 自殺を試みた。

高台へ登り 目を閉じて 寄せてくる波の音に 身を託そうと…。


どこへ行っても 私は必要とされない。 そんな私なんて 消えてしまえばいい。


靴を脱いで 写真を抱きしめ 瞳を閉じた時だった。


優しく懐かしい 声が聞こえてきた。
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