哀しみの向こう
「どうして ここにいるの?」
空から 聞こえてくる声は 母の声に聞こえた。


「お母さん!?」 私が聞き返すと
「そうよ」 私の2メートル先に 母がいた。

「おかあさん!!」 私が駆け寄ると 母は抱きしめてくれた。


幻のはずなのに なぜか 温かい…。
母が亡くなる前に 私を抱きしめてくれた あの時と変わらない 温もり…。


「おかあさん!!」
私は泣きながら 母に抱きついたままだった。


母は 私を抱きしめたまま 私の頭を 撫でてくれた。
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