哀しみの向こう
それから 家に入ると 祖父母は全てを 私に話してくれた。

私が海岸で逢った母は 実家に帰ってきて 祖父母に話をしてくれていた。

「私が命を削って 大事にしたものは 娘よ。
あの子に何かしたら 私の両親でも 許さない」と 残して言った。

祖父母は私を憎んでいた。
愛する娘を奪ったのは 孫である 私のせいだと。


でも 違った。
愛する娘を守った お母さんの愛情を 知った祖父母は 孫である私を 大事にしようと。


お母さんの命を削って 守ってくれた私を 大切にしようと 祖父母は 振り返ってくれたのだ。


私は 嬉しかった。

お母さんの愛情は 本物で お母さんと出逢えたこと。


お母さんが 祖父母に誤解を解いてくれたこと。


お母さんの愛情を これからも 大事にしていこうと 私は強く思った。
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