彼と私は手を繋ぐ


……バレた?バレてる?

どうしよう、何て言ったらいい?

さっきまであんなに盛り上がってたのに。
普通に話せてたのに。
沈黙が気まずすぎて、私は余計にパニックになる。

火照った頬が、戻ってくれる気がしない。

「……あのさぁ」

ポリポリ、ほっぺたを掻く仕草をしながら、辻さんが口を開いた。

「書いてあるんですけど」

「………はい?」

「翠ちゃんの顔に?……俺の事が好きだって、書いてあるんですけど」

「………!!!」

ぷしゅう、と顔から湯気が出た気がした。


口をパクパクさせて、何も言う事が出来なかった。


「…… 見間違い、だった?」


辻さんに聞かれて、

私は、ふるふると首を振った。

「見間違い、じゃない………です」



………なんだこれ。
最悪だ。


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