星にかけた願い


「兄ちゃん待ってょぉ~」

まだよたよたしながらじゃないユキは、いつも懸命にハルに着いてきた。

ハルはそんなユキを嫌で嫌でたまらなかった。

「着いてくるなよ!ユキは家にいろってば!」

逃げるように森の中に入り小川を飛び越えた。

「やぁ~にいちゃ…たすけ…」

川を飛び越えようとしてユキは滑り落ちた。

流れの早い小川にユキは流されていく。

「ユキ!ユキ!あぁどうしよう。」

ハルは恐怖で泣きながら、ユキを追い掛けて川下に走って行く。

途中の少し流れの緩やかな所で、近くのお爺さんが魚を捕っていた。

「お爺さん。ユキを!ユキを助けて!」

血相を変えて走ってきたハルと同時に川上からユキが流されてきた。

「よし!」

お爺さんは川に飛び込みユキを岸まで引っ張りあげる。

ユキはしばらくして水を吐き出したが、ぐったりしている。

「ボウズ家はどこだ?」

お爺さんはユキをオブって家まで連れて帰ってくれた。

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