星にかけた願い
不思議な事にユキは父が出かけてしばらくしたら息を吹き替えした。
そしてまるで何事もなかったかのように、元気になっていた。
「ユキはどうして知っているの?」
その時の記憶はハルにはない。
懸命に思い出そうとしても、頭の中からスッポリ抜け落ちていた。
「私ね。あの時 死んじゃったの。暗い道を歩いていたら、真っ赤な花が話してくれたの。私が生き返る事や、パパが替わりになること、お兄ちゃんが優しくなること、ママが病気になって死んじゃうこと…」
ハルは自分のしたことで家族の全てを変えてしまった事を知る。