星にかけた願い


ハルはお爺さんの言葉を思い出していた。

『花を探しているなら、諦めた方がいい…』
『でも!それ以外でママを助ける事ができないんだよ!』

ハルは言葉を荒げる。

お爺さんはため息を一つ吐き、話し始めた。
『花は確かに存在する。昔ある男が、愛する者を救う為に花を探して見つけた。』


ハルとユキは目を輝かせた。

『しかしな、男は帰って来なかった。』

『花は見付かったのに?』

『花はな、等価交換を求めるんじゃよ。』

『等価交換?』

ユキがキョトンとして聞く。

『ハハハッ…ユキには、ちっと難しいかのぉ~。等価交換とはな、願いと同じ大きさのものが必要ということだよ。』

『等価…交換…ねぇお爺さん、その男はどうなったの?』

『…さあのぉ~どうなったんじゃろうかのぉ?ただ花は確かにある。愛する者の玄関先に花が置かれていたからな…』

『ハルよ…よく考えなさい。お前達の母親はもう長くはない。それに父親が帰らぬのも…』

『パパ?帰って来ないの?遠くにお仕事に行ったんだよね?』

ユキが今にも泣き出しそうになる。

『花の事で知っているのは、それだけじゃ。』

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