星にかけた願い
帰ってからのハルは黙り込んだままだった。
ユキが気を遣っていろいろ話しかけても、上の空だった。
「…ちゃん。お兄ちゃん。」
考え事をしていたらユキが目の前で呼んでいた。
「ユキ?」
「行こうよ!お花を探しに!」
「は…な…」
ため息を吐き黙る。
「だってもう夜だもの。ママを助けるんだよね?今日しか咲かないかもしれないんだよ!」
今にも溢れそうな涙を瞳一杯にしてユキが、両手を握りしめて言う。
「ユキ…お前……」
ハルは今までユキは留守番が、怖いから着いて来ていただけだと思っていた。
しかしユキは小さいながらも『花を探す』行為を必死だった事に気付く。
「…わかった。行こう。」
今日は何時もより遅い時間になっている。