好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―
「そういうことなら俺に一言……」
「何でアンタに言わなきゃいけないのよ。
つぐみちゃんはあたしの友達よ」
「いや、俺にも心の準備が……」
「はぁ?いつもケータイの画面ニヤニヤしながら見てるんだから、今更でしょ」
「ちょっ、姉ちゃん!!」
瀬戸が顔を真っ赤にしながら焦る。
あかりさんとあたしを交互に見て、余計なこと言うな!って怒る。
だけど、そんなのあかりさんには通用しない。
やっぱりあかりさんの方が強いんだ……。
二人のやり取りを見ながらそんなことを思う。
ていうか……似てる。
姉弟だから当たり前っていったらそうかもしれないけど……。
やっぱり似てるんだなー……。
「あの、あかりさん。
あたしやっぱり……」
何だかここにいちゃいけない気がして、あたしはあかりさんに声をかける。
瀬戸も困ってるみたいだし……。
だけど、あたしの声はあかりさんには届かなかった。
大音量で鳴ったあかりさんのケータイによってかき消される。
「ちょっと待って……。
……あれ。
……え。
……ウソ!?」
あかりさんはケータイを見ながら大きな声を出す。
うるさい、と瀬戸は迷惑そうな顔であかりさんを見るけれど、あかりさんはそんなのお構いなし。