好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―


それから少し話していると、実は担任の先生に呼ばれてる、と言ってリホは面倒くさそうに教室を出て行った。

学級委員ということでいろいろ雑用を押し付けられるみたいで。

大変そうだなと思いながらリホを見送った。


ぐーっと伸びをしながら徐々に人が集まってきた教室内を見渡す。

本当に夏休み終わっちゃったんだなぁと改めて実感する。


「……つぐみ」


……突然後ろから聞こえてきた声にビクッと体が反応した。

誰の声かすぐに分かって、あたしはゆっくり振り返る。


「あ……おはよ、結衣」


振り返った先にあった結衣の表情はあまりよろしくなかった。


「おはよ……あのさ、つぐみ」


ちょっと話があるんだけど。


あたしにそう告げた時の結衣の表情に……なぜかブルッと身震いしてしまった。
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