好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―

「すっごい嫌そうな顔……」

「涼が人前であんな顔することなんて滅多にないよ。
……何であんなことになってんの」


広里君が不快そうに眉間に皺を寄せる。

何でと聞かれても……。

あたしは肩にかけたままだったカバンを机の上に置きながら何て答えようか迷う。

すると、広里君があたしの前の席に座ったのであたしも自分の席に腰を下ろした。


「俺が聞きたいのはさ、何で高橋が急にあんな積極的になったのかってことなんだけど」

「まぁ……アタックするって言ってたから」

「アイツ、ストレスで早死にするよ」


ストレスって……。

もう一度結衣と瀬戸の方に視線を向ける。


「だからね、」

「……分かったから。
もういい?俺、ちょっとやることが……」

「ちょっと待って、瀬戸君」


………………。


「……確かにストレス溜まりそうだわ」

「だろ?」


どうすんの、と広里君に言われるけど。

……あたしにどうしろと。

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