好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―
「大丈夫……?」
瀬戸の顔を覗き込むようにして確かめれば、瀬戸は目を細めて笑う。
「心配してくれてる?つぐみちゃん」
「そりゃ……」
「あー、もうそれだけで元気出た。
俺って超単純」
ははっと笑う瀬戸。
いつもの笑顔が戻って少し安心していると、瀬戸に背中を押される。
「ほらほら、早く荷物取ってきてー。
外行くよ」
「あ、うん」
「いやー、本当にリホちゃんには感謝だわ」
ニコニコという音が出そうなほど嬉しそうな瀬戸。
そんな瀬戸を見ていると、あたしまで笑顔になる。
「あー、久々だ。
こんな近くでつぐみちゃんの笑顔見るの」
「え、」
「ははっ、癒されるー」
もう、と少し照れ臭さを隠すように声を出す。
いつもの調子に戻った瀬戸。
そんな瀬戸に背中を押されながらあたしは教室まで荷物を取りに行った。