好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―
カバンを持って外に出ると、瀬戸は大きく伸びをした。
「あーっ……やっと解放されたー」
首をコキコキ鳴らしながら歩き始める瀬戸の後にあたしもついていく。
「何なの、本当に。
何であんなにくっついてくんの」
「お疲れ様です……」
「これじゃ、学校でつぐみちゃんと話せないじゃん。
てか、最近ヒロともあんまり話してないしー」
ブツブツと愚痴を言う瀬戸。
相当溜まってるんだろうな、と思いながら相づちをうつ。
「俺の何がそんなにいいのかねー。
ね、つぐみちゃん。
俺の魅力って何だと思う?」
「え……」
瀬戸の……魅力……。
グルグルと頭を回転させてみる。
「うーん……」
「え、そんなに悩まないと出てこない?」
「……賑やかなところ?」
「それ、遠回しにうるさいって言ってない?」
つぐみちゃんの意地悪、と瀬戸は口を尖らせる。