好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―
買い出しは思っていたよりも早く終わった。
ガムテープや画用紙などのちょっとした文具の買い出しだったから、荷物も軽い。
それでも瀬戸が全部持ってくれてるんだけど……。
「何かごめん……全部持たせちゃって」
「いいのいいの。
これが男の役目でしょ」
そう言いながら瀬戸はヘラヘラと笑う。
ほら……やっぱり優しい。
「つぐみちゃんさ、この後暇?」
「え?特にはないけど……」
あたしがそう言うと、瀬戸はにんまりと笑う。
「じゃあさ、ちょっと俺についてきてよ」
「え、戻らないの?荷物は?」
「リホちゃんに直帰していいって言われたー」
そうだったの?
初めて聞いた事実にちょっと驚く。