好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―

「何ボーッとしてるの?」


目の前の亜美が怪訝そうな顔であたしを見る。


「何でもない」


そう言いながらアイスティーをストローで吸う。

冷たくて美味しい。

ちょっとだけ心が落ち着く。


「……それでさ。
つぐみは瀬戸に気持ち伝えたの?」

「え?」

「え?って……。
気づいたんでしょ?自分の気持ち」


それは……。

コクリと頷く。


「だったら伝えないと。
このままじゃ瀬戸が可哀想」

「でも……」


結衣の顔が頭の中によぎる。

この気持ちは伝えてもいいものなのか……。

そう悩むあたしに、亜美は呆れたようにため息をついた。


「つぐみ、今まで瀬戸のこと好きになっちゃいけないと思ってたんでしょ」

「え」

「友達の好きな相手だから好きになっちゃいけないって、自分の気持ちを無意識のうちに押さえ込んできたんでしょ」


まぁ、最近は意識あったみたいだけど。

と亜美が付け足す。
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