好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―
「どうしたの?つぐみ」
「あ、いや……」
「ま、今までのつぐみの話から察するに、瀬戸はつぐみのこと大好きだと思うから余計な心配はする必要はないと思うけど」
亜美はそう言って目の前のアイスティーをストローで吸う。
「だから、つぐみもそれに見合った返事をしてあげないとね」
「……うん」
瀬戸はいつだってまっすぐぶつかってきてくれた。
あたしがその気持ちに応えられないと分かっていても……。
……そんな瀬戸に気づかない内に惹かれていた。
いつもは飄々としていてよく分からないヤツなのに。
時折見せる優しげな微笑みや真剣な表情にドキドキさせられて……。
告白されるまではヘラヘラ笑ってるだけだと思ってたのに。
そんな瀬戸があたしは……。
「はー。
それにしても、文化祭本当に近づいてきたね」
文化祭……。
結衣は瀬戸を誘ったのか……。
瀬戸はそれに対して何て返事をしたのか……。
……それだけが、今は気になる。