好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―
「ど……どうしたの?」
いつもと違う瀬戸にそう尋ねても、瀬戸は特に気にした様子もなくあっけらかんと答える。
「押してダメならもっと押せってことで。
絶賛つぐみちゃんのこと押し中」
「は……?」
瀬戸の言ってることがたまに意味分からないのはいつも通りだとして。
……それにしたって行動が急すぎる。
ちょっと前まで普通だったのに……。
何かあった?
この前の放課後お散歩であたし何かした?
必死に考えるけど、心当たる節はない。
「あの、瀬戸……」
「ねー、今日お昼一緒に食べようよ」
「は?いや、でもあたし約束が……」
瀬戸にそんなことを誘われたのは初めてで、あたしは少し動揺する。
亜美と約束しているのは本当だけど。