好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―

「約束?誰?」

「亜美だけど……」

「亜美……?
……あー!去年つぐみちゃんがよく一緒にいた子ね」


覚えてる覚えてる、と瀬戸が何度も頷く。


「じゃあ、問題ないね。
四人で食べよっか」

「いや、問題あるし。
ていうか、四人って……」


あたしと亜美と瀬戸と……あと誰?

あたしが不思議に思っていると、瀬戸は少し離れたところへ声をかける。


「なー、ヒロもそれでいいよな!」

「え、」


あたしが驚いたのと同時に、離れたところであたし達の様子を面白そうに眺めていた広里君がゲッと声を漏らしたのが聞こえた。


「俺を巻き込むなよ……」

「だって三人じゃバランス悪いじゃん?」

「そもそも、あたし同意してないんですけど」

「えー、いいじゃん。
楽しそうじゃん」


……おかしい。

やっぱり何だかいつもの瀬戸じゃないみたい。

いや、意味不明な言動はいつも通りなんだけど。

いきなりお昼に誘ってくること自体怪しい。

あの夏祭りを除いて、あたしが友達といる時はほとんどそこに入ってくることなんてなかったのに。
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