好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―
「……まぁ、それでも早く瀬戸のことを忘れたいって言うなら……」
「亜美……?」
「当たって砕けろ、ってことでダメ元で告白してきたらいいんじゃない?」
「え……えっ!?」
告白……!?
「つぐみ、元々告白はするつもりだったんでしょ?」
「う、うん……それは……」
文化祭が終わったらって……そう思ってたけど……。
状況が変わった今、とてもそんなことする勇気なんてない。
「つぐみがどうしても早く瀬戸のこと忘れたいって言うなら、玉砕して華麗に散ってくればいいんじゃない?
そしたら吹っ切れて次に進めるかも」
玉砕……。
……あぁ。そういえば。
初め……瀬戸はあたしの返事が分かり切った上で告白してくれたっけ。
だから、返事はしなくていいからなんて言われて……。
……瀬戸はいつもまっすぐぶつかってきてくれたよね。
あたしの瀬戸に対する気持ちは分かっていたはずなのに。
……あたしはそんな瀬戸に徐々に惹かれていって……。
もう結果なんて分かってるけど……
でも……してみようかな、最後に……告白。
それで終わりにするんだ……この気持ちにけじめをつけるの。