好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―
「つぐみちゃん?どうした?」
「な、何でもない……!」
……そうだよ、何でもない。
本当に何でもないんだから……!
「……あ、あたし、もう帰るよ!」
「え?」
あたしは慌てて机の上に置いてあったカバンを肩にかけた。
「つぐみちゃん、急にどうしたの?」
瀬戸が不思議そうにあたしの顔を見る。
「な、何でも……。
とにかく、帰るから!
じゃあね、瀬戸!」
「あっ、ちょっ……!」
あたしはカバンを持って、急いで教室を飛び出した。