好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―
はー……。
もう、どうしよう……。
結衣にはラブレターのことちゃんと話さないと……。
そして、瀬戸……。
何なの?
さっきのあの優しい微笑みは。
あんなん今まで見たことないよ。
何なのよ。
「もうっ!」
「つぐみ、お怒り中?」
校門を出る手前、突然誰かに話しかけられた。
振り返ると見覚えのあるポニーテールが風に吹かれて小さく揺れていた。
「亜美、」
「今帰り?一緒に帰ろうよ、久しぶりに」
「……亜美ー!!」
「ちょっ、どうしたどうした。
そんなにあたしに会えて嬉しい?」
「そうじゃないけど……」
「そうじゃないのかよ」
亜美がすかさず突っ込む。
あー、でも何か亜美の姿見たら少し心が和らいだ気がする。