好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―
「それで?何かあったわけ?」
亜美と並んで帰り道を歩く。
去年、同じクラスだった頃はよくこうして帰ってたっけ。
「うーん……」
「言えないこと?
なら無理には聞かないけど」
「言えなくはないけど……言ってもいいのかなぁって」
「あたしの口は堅いわよ」
「あはは、うん、そうだったね」
亜美になら……話してもいい、かな。
「瀬戸って覚えてる?
亜美も去年同じクラスだった」
「瀬戸?あぁ、アイツ。
覚えてるよ。
つぐみと結構仲良かったよね」
「仲……良かったかな、そんなに」
確かによく話してた記憶はあるけども……。
「そんで?その瀬戸がどうしたって?」
「友達にね、頼まれたの。
瀬戸にラブレター渡してほしいって」
「へー、アイツもやるわね、意外と」
意外とって……。
「それで渡しに行ったんだけど……」
「うん」
「……れた」
「は?何?」
「……告白、された。
……瀬戸に」
「……………は?」
亜美がポカンとした顔でこっちを見た。