好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―

「あたしの机の中……?」

「うん、そう」

「ちょっと、何で人の机の中勝手に漁ってるの。
ていうか、それ誰から……」

「……男」


心底つまらなさそうに瀬戸が告げる。


お、おとこ?

男?


「え……」

「今朝、たまたま早く来たら男がつぐみちゃんの机の中に入れてるの見た。
そんで、読んだらラブレターだった」

「ちょっ……勝手に読まないでよ」

「いや、だって気になるじゃん。
コイツ、俺のライバルだし」

「ら、ライバルって……」

「そうでしょ?
俺だって平野のこと好きだし」

「っ……………」


サラッと……サラッと言ったけど。

でも……目は本気だ。

瀬戸の真剣な目……。


それに……また。

また、呼び方が変わった。


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