好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―
「へー、結構行くんだ」
「大体半分くらいかな」
紙を手に上から下へと視線を動かしていた瀬戸。
だけどある地点でピタリとその動きを止めた。
「つぐみちゃん、行くの?」
「うん」
ふーん、と言いながら瀬戸の口元が緩む。
それを広里君は呆れたような目で見ている。
「じゃあ、俺も行く」
「え、」
「ちょっと、つぐみちゃん。
もっと喜んでよー」
微妙な反応をしたあたしに笑いながらそう言う瀬戸。
「瀬戸も参加、と。
オッケー、ありがとうみんな」
リホはにっこり笑うと、そのまま忙しそうに別の集団へと移動していった。
まとめ役っていうのはやっぱり大変そうだな。
「つぐみちゃんと俺が参加ってことはさ。
もうこれは二人で抜け出すしかないよね」
「何言ってんの」
「ドラマとかでよくあるじゃん」
ね?と同意を求めてくる瀬戸の頭を広里君がパシン!といい音をさせながら叩いた。