好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―
リホと女子数人と屋台を回る。
とりあえずみんなで買って食べまくる。
女子の食欲は男子がいないところでは意外と凄かったりする。
みんなの細い体のどこに入っていくのか不思議だけど、買ったものはペロリとたいらげられていく。
「そういえばさ、つぐみ」
「ん?」
「アンタ、水谷と付き合ってるの?」
「は!?」
突然のリホの質問にあたしはブンブンと首を横に振る。
すると、そんなあたしを見ていた周りの女子達が小さく笑う。
「ほら、だから言ったじゃん。リホ。
あれは向こうがつぐみに言い寄ってるだけだって」
女子の観察眼は恐ろしい。
「なんだ、そうなの」
「そうだよ。
だってつぐみは瀬戸と付き合ってるんだもんねー」
………え。
「違う!付き合ってない!」
「え、そうなの?」
全員がキョトンとした顔であたしを見る。
何でそんな顔してるの。
あたしがその反応したいぐらいなんだけど。
「えー、仲良いからてっきりそうかと思ってたのに」
「仲良い……?
そんなことないって」
「そう?そう思ってるの、つぐみだけじゃない?
瀬戸なんか四六時中つぐみに熱い視線送ってるよ」
え……何それ。