好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―
あたしが驚きに満ちた表情を見せれば、みんなはクスッと笑う。
「気づいてなかったの?
あんなに分かりやすいのに」
「あー、つぐみのこと好きなんだなーって、あれじゃ丸分かりだよね」
ねー、なんて同調してクスクス笑うみんな。
……気づかなかった。
そんなに見られてたの?
瀬戸に?
しかもそれがクラスメートに知られてるということは……
……あたしとよくいる結衣ももしかして……。
気づいてる?
でも……特に変わった様子はなかった。
「でも、瀬戸といえばさー」
一人の女子が口を開き、みんながそっちを見る。
すると、彼女は驚きの発言をした。
「結衣ちゃん。
もう諦めたのかね、瀬戸のこと」
……あたしは驚きすぎて言葉が出なかった。
何で……何で、そのこと知ってるの?
結衣が瀬戸のこと好きだって……。