他校生の君に贈りたい言葉。
もっと話して見たい。
他の表情を見てみたい。
……俺ってキモいな…苦笑
さつきからこればっか。
自分でも呆れてる。
「はぁー…」
なんで共学のマドンナなんて好きになったんだろう?
もっとさ?
簡単に手に入る女が良かった。
なんて思っても他の女は全て同じに見えてしまうのだから、意味無いか。
「お、おい!空流!!」
授業中寝ていたら、急に先生が身体を揺する。
「うー?何ですか?」
ふぁー、とあくびをひとつ。
「隣の共学の女の子がお前の為に来てるぞ!?」
「へぇー…そーなんですか…って授業中だから関係ないですよね?」
もう一眠り…と思って眠りかけた時。
「…空流」
え!?
空耳っ?
だ、だって!
有空の声!
俺は驚きでバッと立った。
すると椅子が倒れて凄い音。
目の前には有空の呆れ顔。
「なんでいんの」
取り敢えず悪いけど、ここから疑問。
「え?…んー、何か会いたかったから?」
「「ヒューーー!」」
なんで疑問形?
でも嬉しさは急に上がる。
「って、言っても…学生証…空流と間違えてるから…」
俺はきょとんとする。
今朝、降りる時に有空とぶつかって、荷物が有空と混ざってしまったんだ。
有空はすぐに拾ってでで行ったんだけど…学生証が違うとは…。
俺は横にかけていた鞄から学生証を取り出す。
「ホントだ…、有空の学生証だ」
俺が有空を見た瞬間驚いた。
だって、有空の周り、男子男子男子だったんだから!
「有空ちゃん!俺にしない?」
「いやいや、俺だろっ!?」
「あ、有空っ!?」
俺はその中に入り込んで、有空を探す。
「そ、空流っ」
泣きそうな声が聴こえて、更に探す。
「有空っ!」
俺は有空を見つけてぎゅっと抱きしめた。
「悪いけど、有空に手ぇだした奴、今度から許さないから」
自分でも驚くほど、低くい声がでた。
「先生、今日体調不良なので、早退します」
「オッケー」
今の授業がこの先生で良かった。
「有空、行くよっ」
俺は抱きしめていたのを解いて、自分の鞄を持って教室をでた。
手を握って、校門を出て…一揆に冷や汗。
「有空、だいじょ…えっ?」
有空を見ると、泣いていて…。
何で泣いて居るか、サッパリ分からない。
「有空っ?…お、俺なんかした?」
俺が問いかけると、フルフルッと首を横に振る。
俺の顔見て、制服の裾を握る有空。
「…ホント、どうかした?」
「…なんもない」
有空がなんもない、と言うのだから深くは聞けなかった。