他校生の君に贈りたい言葉。


次の日、いつもの車両に行っても女は居ない。

「…んだよ。…アイツ怒ってんの?」

少し不機嫌になる俺。

別に笑ったっていいじゃんか。

女を探す為に他の車両に行く。

すぐ隣の車両にいた。

俺はすぐ目の前に座る。

すると…女はなんで!?…と言いたげに顔を歪める。

居たっていーじゃん?

俺の気持ちを更に負にさせて行く。

女はジロッと俺を睨んで、いつもの車両に行く。

おれはその車両に来たと同時に、女の手を掴んだ。

自分でも不思議だ。

「…なんかようある?」

いつも俺には向けたことのない笑顔があった。

…でも、コイツ作って笑ってる。

他の奴からしたら、全然なんだろうけど…。

俺は騙せないよ?

「…まだ、怒ってる?」

「…え」

俺は女を見つめる。

すると、

「うっ…」

と言う言葉が聞こえた。

罪悪感に陥ってる女。

…なぜだかは知らないが…ってか、興味ないし…。

「…怒ってるの?…怒ってないの?…どっちなんだよ」

ちょっとイライラ。

だって可愛いんだもん。

俺に見向きもしない所がいい。

…別にMじゃない。

「悪いけど、すっごく怒ってる。…ついて来ないでくれない?」

さっきのように作った最高の笑顔を俺に向けて、…手を払われた。
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