紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~
「じゃ、章吾。私もう行くね」
「綾香殿。蓮殿は今、生徒会室で仕事をしておりますがお会いにならないのですか?」
「んー…、いいや。放課後会えるし」
「そうですか。それでは放課後、宜しくお願い致します」
どんなに仲良くなっても丁寧口調を止めない章吾に、思わず苦笑いしてしまった。
「うん、また後でね」
「じゃ。みんな、放課後宜しくね」
「「綾香~。待ってるよ~ッ!」」
「放課後が待ち遠しいですね」
「早く来いよ~」
双子の青治と朱利、そして時政先輩や鏡夜の言葉にコクンと頷く。
そしてすぐに下を見下ろした。
今だ私の事をジッと見守っている、次郎丸と私の親衛隊達。
私は皆にニコリと微笑み、そして手を軽く振った。
そんな私にはっと驚き目を見開いた後、嬉しそうに瞳を輝かせながら代表者である次郎丸が口を開いた。