紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~
四章 ルキアの過去
「おはよ、蓮。………ところで朝からこんなところで、何やってるの?」
「はぁ?」
開口一番そう言った私に、不機嫌そうに蓮の眉が寄る。
チッと舌打ちした蓮が、今度は私を睨みつけながら…、
何故か私の手を握ってきた。
「え?ええええ???」
「行くぞ」
そう言って蓮は、私を引きずるように歩き出した。
昨夜、仲直り?した私達。
でも今朝は学校まで、一緒に行く約束をしていたわけではない…。
それにのにどうして、ここで蓮は私を待っていたんだろうか?
そんな事を考えながら晴れやかな朝、私と蓮は周りにいるみんなの視線を浴びながら、その間を潜り抜けていく。
それにしても…、
蓮が朝、私を待っているなんて初めてなんじゃない?
驚いた表情のまま横にいる蓮を見上げると、テレている顔がそこにあった。
少し、顔が赤い?
蓮のその顔がとっても可愛く感じて、私の頬が緩む。