【完】First♡Love~すれ違う恋心~
玲央先輩はあたしの前にかがんだ。

「…痛く、なかったか?」
「…はい。大丈夫、です…」
「そか、よかった」

そうホッとした顔を見せた玲央先輩。
だけど、次にそれは真剣なものへと変えられ た。

「…なんで、黙ってた?」
「え…?」
「どうして、言わなかった。いじめられてるっ て」
「っ、言えなかったん…です」
「…どうして」
「関わるなって、言われたんです。玲央先輩 に、関わるなって…。迷惑がられてる…って」
「迷惑なんて、思わねぇよ。絶対に、思わな い。だから、もう気にすんな」
「っ、はい…ヒック…」
「もう、大丈夫だから。いじめになんて、もう あわねぇから」
「ふ…ぅ…ヒック…せんぱい…」
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