【完】First♡Love~すれ違う恋心~
なかなか反応しない玲央先輩。

「?玲央せんぱーい?」
あたしの声も、届いていない様子。
だが…
「玲央、玲央!!」
沙織先輩が、耳元で先輩の名前を呼ぶ。
「あ、お、おう…」
「ほら、お客さんに席の案内!」
「あ、おう。じゃぁ、美々。こっち」

先輩について行こうとしたら、沙織先輩が玲央 先輩を呼びとめた。
そして、2人でコソコソと話している。
何を話しているかは、聞こえないけど…
ズキンと、胸が痛むのがわかった。
その痛みに耐えれなかったあたしは…
「……玲央、先輩?」

玲央先輩の名前を、なんとか呼んだ。

「あ、あぁ、ワリィ!」
そうして先輩があたしを席に案内し、接客して くれた。

胸に残った痛みは、 消えることを知らなかった――…。
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