【完】First♡Love~すれ違う恋心~
「お、これでいいや」
なぜか生物準備室にあった程よい長さの鉄パイプ。

「え、先輩…まさか」
「そのまさか。たぶん、ちょっと力入れれば鍵、壊れる。だいぶ古いから」
「だ、ダメですよ!そんなことしたら、ヤバくないですか!!??」
「心配すんな。ちょっと触ったら壊れた~って 言えばいい」
「いやいや、無理ですって」
「フハッ。ま、お前は心配すんな」

なんかあったら、俺が責任とってやる。

「よし、やるかっ!」
「えぇ、マジでですか~~!?」
そう美々が叫んでいるうちに…

―――ドンッ、バキッ!

「うっし!壊れた!」
ドアを押すとちゃんと開いた。
俺は美々の前にしゃがみこんだ。
「美々、もう大丈夫だ。帰ろ」
「…は、い」

美々の瞳は、潤んでいた――…。

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