【完】First♡Love~すれ違う恋心~
俺は美々の手を引きながら、暗く静かな廊下を歩いた。
下駄箱まで来て、くつを履くと…

「じゃぁ、玲央先輩。今日はいろいろ、ありがとうございました。では」
美々はそのまま1人で帰ろうとした。

「美々、待って」
俺は美々の腕を掴んだ。
「え、玲央先輩…?」
「送ってく」
「――…へっ!?」
「もう、外暗いし、危ない」
「え、でも…」
「はぁ…。美々さん?俺に送らせては くれないでしょうか?」
「うぅ…、お願いします…」

顔を赤くする美々を見て、可愛いと思った。

――だけど。 そんな顔、見せんな。

頼むから、変な期待… 持たせないでくれよ。
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