TSUBASA
『葵羽』


そう何度も、あたしの名前を呼ぶ。


嫌いだった、自分の名前も、、、


冬樹が呼ぶもんだから、愛おしく思えてくる。


冬樹は、本当にいろんなことをあたしに教えてくれる人だ。


「、、、、と、ぅ樹」

『葵羽。何処にいんだよ』


先ほどより、優しい口調で言う。


「ねぇ、、、「助けて」って言ったら、冬樹の重荷になる?」


このまま、いつも何かにビクビク脅えながら生きていくなんてイヤだ。


『だから、何でいつも1人で泣くんだよ』


冬樹にそう言われて、自分が泣いていることに気付く。


自分でも知らぬ間に、泣いて居たんだ。


そんなことにさえ気付けないほど、あたしは不安定なんだ、、、

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