TSUBASA
そんなあたしの頭をポンポンっとしたかと思うと、髪をぐしゃぐしゃにする。


あたしよりも、20センチくらい高い男睨みつける。


「下からそうやって睨まれても、煽られてるとしか思われねぇぞ」


そう言って、やっとあたしの頭から手を離した。


いつ、あたしが煽ったって言うのよ!


変な誤解を生むようなことを言わないで貰いたい。


それに「下から」って、冬樹よりあたしの方が身長が低いんだから仕方ないじゃない。


だったら、冬樹が縮めよ!


ムッとしながら、冬樹にぐちゃぐちゃにされた髪を直す。


「そういえば、葵。連絡先交換しようよ!」


省吾と言い合いをしていた玲が、携帯を取り出しながら言う。

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