TSUBASA
__ガチャッ__


部屋のドアが開く。


あたしは泣いていることに気付かれたくなくて、うつ伏せになる。


誰が入って来たのかはわからない。


でも、その人の足音は近づいてくる。


あたしが寝ていたベットに腰を掛けたのか、ベットが揺れる。


そして、そっとあたしの頭を撫でる。


それが妙に心地良い。


「変なこと、考えんなよ」


その声を聞いて、相手が冬樹だということに気付く。


冬樹は、あたしが話しを聞いていたことに気付いていたのだろうか?


でも、そんなことを聞くことはあたしには出来なくて、、、


あたしは、動かずに、、、


動けずに居る。

< 62 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop