TSUBASA
「始めに言った通り。お前は好きなだけ、ここに居れば良い」


あたしが本当に、敵のコマだったらどうするつもりなのだろう。


確かめたい、、、


でも、怖い。


__ガバッ__


あたしの視界が180度回転する。


そしてあたしの上に冬樹が跨り、両手を掴む。


「1人で泣くな」


そう、何処か苦しいそうに言う。


そんな冬樹の顔を見ていたら、あたしまで苦しくなる。


こんなのは初めてのことで、また自分に戸惑う。


あたしはどうしてしまったのだろうか?


今まで、自分にはなかった感情が次々と見え隠れする。


「今は、俺がお前の傍にいてやるよ」


上からモノを言われているのに、冬樹には変な不信感を持たなかった。

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