TSUBASA
「葵は、冬樹の救世主だね」


救世主って、あたしは何もしていない。


冬樹が勝手に、助けただけ、、、


「まぁ、そうなる、な」


省吾は、チラッとあたしの顔を見る。


どうせ省吾は、あたしのことを疑ってるんでしょ?


あたしは、そんな省吾のことを気にしない。


気にしたところで、あたしにはどうにも出来ないから、、、


あたしが「信じて」と言ったところで、信じるような人間じゃないだろうし。


そんなの、あたしが決めることでもない。


「そっか、そっか」


あたしと省吾の間に流れている、変な空気に気付くこともなく、玲は嬉しそうな顔をする。


それに、さっきまであたしのことを見ていた省吾が玲のことを見るのを見て、あたしは気付いてしまった。


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