TSUBASA
「可愛いね」


そう、案の定引っ掛けて来た。


「お兄さんも、カッコいいですね」


お兄さんと呼んで良い年かは、微妙だけど、、、


でも若く見られて気を悪くする人間は、そうそう居ないだろう。


「1人で何してんの?待ち合わせ?それとも、、、」


そう言い、相手はあたしの耳元で言う。


「買い手探し?」


まだ、この街には理解している人間はいるんだ。


そう、思った。


「買い手待ち」


あたしの言葉を聞き、男は腕を絡めてくる。


「希望は?」

「いくらなら、出せるの?」


金額が高ければ高いほど、あたしには好都合だ。

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