TSUBASA
誰かに抱かれて、心の中はただ虚しくなるだけ、、、


ポッカリと、穴でも開いたんじゃないかって、、、


手の中にある札たちを、ギュッと握り締める。


あたしが、あたし自身が、、、


1番何をしたいのか、わからない、、、


__ドンッ__


俯いて歩いて居たせいで、誰かにぶつかった。


「あ、ごめ、、、」


謝ろうと思って、顔を上げた。


でも目の前の人間を見たら、続きの言葉が言えなくなる。


「こんなところで、何してんだよ。こんな時間に」


こんなところって、、、


あたしが今居る場所は、ホテル街。


「何をして来たか」なんて、ここに居れば聞かなくても大体想像はつくだろう。

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