TSUBASA
ハルがあたしに、直接何かしたことはなかったけど、、、


ハルはいつだって、自分では何もしない。


ハルはいつだって自分の権力を使って、誰かにやらせていた。


この背中に刻まれたタトゥーの時も、、、


『みんな悪い奴らじゃなんだよ』


自分が指示して、やらせたくせに、、、


『大丈夫か?』


タトゥーを入れ終わったも、痛みで苦しむあたしを見て笑ってたんだよね?


ハルは、、、


これぽっちも、心配なんてしてなかったくせに、、、


忘れていたハルへの怒りが込み上げてくる。


目の前の男はハルじゃない。


目の前に居るのは、冬樹だ。


でも、あたしは自分の感情を上手くコントロールできない。

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