TSUBASA
シャワーを浴びて部屋に戻ると、冬樹はスーツ姿のままベットに横になっていた。


疲れていたのだろう、、、


時計を見ると、とっくに0時を過ぎている。


疲れているのに冬樹は、あたしのことを探しに来てくれた。


その気持ちに、胸が熱くなる。


あたしは冬樹が横になっている隣に、腰を下ろす。


冬樹の顔に掛かっていた髪を寄せる。


ねぇ、冬樹、、、


冬樹は、今までどんな風に生きてきたの?


あたしは、ね?


自分のことを殺して、自分の人生なのに諦めて生きてきた。


あたしの「自由」は、、、


空に手が届かないほど、遠いものなんだって思ってたから、、、


そんなあたしに、飛ぶチャンスをくれたのは冬樹だったと思う。

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